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【ラジオドラマ】2015年11月8日(日)よる9時 スタート

ABCラジオ戦後70年特別企画 石油ノ輸送ヲ命ズ~大戦末期、非情の民間輸送作戦~

陸海軍戦史の闇に埋もれた民間船員の史実に基づいたドラマ。報道からも除外された陸海軍の軍事機密。人知れず国のため、命を的に戦っていた12万人もの民間船員がいた。死亡率43%!軍属の彼らはその死すら知らされる事は無かった。それでも国家のため軍人のため命懸けで石油を運んだ男たちがいる。

付き合いが苦手で映画好きの少年前田昭彦(波岡一喜)は、昭和19年11月、大阪の官立無線電信講習所を18歳で繰り上げ卒業し、大連汽船に通信士として入社した。昭和20年1月4日、戦局はますます悪化し、本土空襲が度重なる中、相生市の播磨造船所で建造中のタンカー、東城丸に乗船せよと社命が下る。

地図

城丸の宿泊所魚民で、昭彦は年齢の近い三等航海士浦島健太(和田正人)と知り合う。魚民では軍による特別配給の白米や魚が揃っているのに昭彦は驚く。また、二等航海士木内(三浦隆志)や二等機関士市村(山浦徹)、次席通信士沼田(大塚宣幸)たちの会話から、東城丸は油輸送の特攻船であることを知る。
東城丸の艤装中、数々の不備が見つかるが軍は出航予定を変えず、作業の遅延は一切認めなかった。また無線装備の事で通信局長川島(北川隆一)と沼田がもめていた。1月15日東城丸竣工。即座に陸軍船舶司令部がある広島県宇品港へ出航するが、エンジントラブルを起こす。1月21日陸軍船舶司令官佐伯中将(津川雅彦)が石油をシンガポールから日本に持ち帰るよう訓示し、特攻バッジが配られる。

主催の魚雷回避訓練が行われるが普段船員が使っている言葉が敵性語として禁止される。訓練を終えた東城丸はいよいよ目的地シンガポールに出航するため、北九州の門司港に向かう。出立前夜、船長森川(名高達男)は軍の過酷な命令や船員同志のいざこざを癒やすため、乗組員全員に下船許可を下す。1月26日ヒ91船団讃岐丸、東城丸、永洋丸、吉林丸は6隻の駆逐艦・海防艦に守られて出港した。 出航してまもなく敵潜水艦が現れ、讃岐丸と海防艦久米が撃沈されてしまう。讃岐丸の乗員を救おうと川島局長に直訴する昭彦だが、逆に東城丸が逃げ切れば敵攻撃は終わると諭される。

後、東城丸は中国大陸の沿岸部を張り付くように南下した。敵潜水艦をいち早く発見するため、ワッチ(洋上監視)が続く中、海軍上等兵(妹尾和夫)の懲罰が始まる。波がしらを敵潜水艦の潜望鏡と間違えて誤射した兵隊に気合を入れている。片や陸軍は軍人勅諭の唱和、船員は南洋航路の大合唱とひとときだけ戦場が遠くに昭彦は感じる。東城丸は海南島に到着する。シンガポールまで半分の距離。直後敵機襲撃を受け、昭彦は負傷する。昭彦は死を身近に感じてしまう。何故こんな航海を続けなければならないのか?昭彦は健太に尋ねると意外な答えが返ってくる。

ンガポールで石油を積み終わった東城丸は、石油を積んだタンカーを撃沈することが敵潜水艦の目的とは知らず再び日本に向けて出航する。これから敵潜水艦だけでなく機雷原も続く最大の難所カムラン湾に東城丸は突き進んで行く。

青春群像劇を目指して
死線を何度も越えて、やっと日本の島影を見た瞬間のお気持ちを教えて下さいますか?
取材で、手記を書かれた渡邊様に、そう伺いました。思いがけない返事をいただきました。
「特に嬉しくなかったですね。またいずれ(油を取りに)行くだろうから。他の船が沈んだのに、喜ぶ雰囲気ではなかったですね」。
経験した人でなければ語れない、戦争のリアルと残酷。その一点に反戦の思いを込め、ドラマは、報道局の綿密な取材と共に、青春群像のエンタテイメントとして書かせていただきました。
どうか皆様方のお耳に、お心に、届きますように。

脚本家 森下直

登場人物

東城丸三席通信士 前田昭彦
波岡一喜
東城丸三等航海士 浦島健太
和田正人
東城丸船長 森川
名高達男
東城丸通信局長 川島
北川隆一
東城丸次席通信士 沼田
大塚宣幸
東城丸二等航海士 木内
三浦隆志
東城丸二等機関士 市村
山浦徹
軍医 中村
中山義紘
東城丸四席通信士 脇本
角真也
昭彦の母 光子
徳田尚美
東城丸操舵士 山口
行澤孝
陸軍少佐
浜口望海
東城丸機関士
村上泰児
東城丸事務長 磯部
磯部公彦
陸軍大尉
南条好輝
海軍上等兵曹
妹尾和夫
陸軍中将 佐伯
津川雅彦
(特別出演)
ナレーター
山本陽子

スタッフ
制作協力

脚本
森下直
プロデューサー
鈴木崇司 
東浦陸夫
ミキサー
平間淳司 
後藤慶
船員用語監修
池上孝雄
編成
大西浩司 
嶋田一弥 
荒川美幸
特殊音響効果
株式会社ユミックス
制作協力
株式会社アイネックス
神戸の劇団Vintage
大阪アニメーションスクール専門学校
株式会社ビー・ジー・エム・サービス
演出
森山浩一

【ドキュメンタリー】2015年11月8日(日)よる8時 スタート

ABCラジオ戦後70年特別企画 石油ノ輸送ヲ命ズ~大戦末期、非情の民間輸送作戦~

ラジオドラマ「南号作戦 最後の輸送船 東城丸」の原案手記の筆者渡邊豊彦氏の体験談に基づくドキュメント。ドラマの舞台である東城丸の航海に至る太平洋戦争の背景を、「海上輸送・海上護衛」という視点から読み解く。ドラマが描く「戦争という狂気に、常識的な考えを持つ民間船員が巻き込まれる物語」をより深く知るために必要な情報を網羅。

平洋戦争では、軍人だけでなく、民間の船員が大勢犠牲になった。今年88歳の渡邊豊彦さんは、大戦末期の昭和20年1月、タンカー「東城丸」に乗船した。「東城丸」は、弱い装甲しかない上揮発性の高いガソリンを満載して、敵に囲まれる中シンガポールから日本まで5000キロの航海を無事に生き延びた奇跡の船である。太平洋戦争では南方の石油や資源の確保は日本の最優先課題だったのに、輸送は民間に任された。

局が悪化するに従い、民間の輸送船の被害は激増していく。被害の増加を受けて軍部は対策を取り始める。戦争後半の戦いは、ほぼ「石油の安定確保」のための戦いであることが分かるが、日本は負け続け、追い込まれていく。そんな中行なわれた「東城丸」の輸送作戦は、日本の命運をかけた「輸送の特攻」だった。

かの船が次々沈められる航海の様子を、渡邊さんは証言する。そんな中東城丸生還は、幸運だけではない、大きな理由が隠されていた・・・

北川隆一(劇団しし座代表)(写真 上)、橋詰 優子(ABCアナウンサー)(写真 下)