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今回の共謀罪法案について、弁護士会はどんな反応なんですか?
「弁護士会というのは全国に52あって、その52の弁護士会と1人1人の個人の弁護士全員が入って日本弁護士連合会を作っているんですが、52の弁護士会のうち47の弁護士会で反対の声明が出ています。日弁連も、本当に繰り返し反対の声明や意見書を出していますね」
何故反対をしているのですか?
「反対の理由は色々あると思うんですけど、大きいのは、日本では今まで現実に結果が発生して初めて処罰するという既遂処罰が原則だったんですよね。人を捉えて処罰するというのは、国家権力が自由で自律的な生活に介入して強制措置をとるという事ですから、そういうのはできるだけ必要最小限度にしておこうという考えだと思うんです。
けど、それが今度は『未遂』も『予備』も通り越して、いっぺんに600以上の犯罪を『共謀』したという事で処罰するわけですから、日本の刑法の大原則を根本からひっくり返してしまう。これが大きな反対理由だと思います。
それと『行為』が無くても処罰されるわけですから、『意思』だとか『思想』の処罰にもつながりかねない。『思想・信条の自由』とか『表現の自由』『集会・結社の自由』等にも重大な脅威になってくるという事で反対しているんだと思いますね。
『共謀』というのは、相談して合意する事だと思うんですが、これは国会の答弁で言われているんですけど、『目配せでも共謀が成立してしまう』と」
目配せでも! 誰でもやりそうな事ですね?
「そうですね。だから、血判状を作ったり、契約書を作る必要なんて全然無いわけです。目配せなんか、したかしていないか解らないという、そういうレベルで『共謀』が認められて、しかも619もの犯罪についてそれが成立してしまう可能性があるという事で、これはどこまで広がっていくか解らないという恐ろしさがあるという事でしょうね」
例えば、『本当にする気は無かったんだけど、冗談で言ってしまった』事とかに適用される可能性ってあるんですか?
「これは、保坂さんという東京の国会議員(保坂展人社民党衆院議員)に『大阪の人は冗談がきついですものね』と言われたんですけど(笑い)、きつい冗談と本気の計画なんて簡単に見分ける事ができるかどうか。
その場にいた人に『いや、あいつは本気だった』と言われてしまうと、『それは冗談でしたよ』ではなかなか通らないんじゃないかという心配がありますよね」
『あいつ、シバいたろか?』というのを何人かで酒の席で話した場合も罪に問われる事があり得るんですか?
「そうですね。『あいつ、シバいたろか?』という話をして『そうだ、そうだ』と言うだけじゃなくて、『うんうん』という風に首を振るだけで合意が成立したと言われかねないですね」
目配せや首を振るだけでも?
「そうですね。
それとあと怖いのは、『実行』が必要ないですから、『共謀』してしまえば、次の朝、酒が醒めて、『ああ、アホな事を言ったけど、あれは間違いだった。絶対そんな事をしないでおこう』と引き返したとしても、『共謀』自体は成立してしまいますから、犯罪は消えないですよね」
例えば相談だけで罪って、どうやって証明していくんですか?
「相談だけで犯罪が成立するという事ですから、その犯罪を証明するものとして考えられるのは、どこかで誰かが盗聴してテープ録音しているという。まあ共謀罪ができると、盗聴をもっと簡単にできるようにしようという法律が出来てくるんじゃないかという次の恐れが心配されているんです。
テープ録音をしないとしても、そうなってくると今度は物証が無いわけだから、『言った。言わない』の世界になってくると思うんです。で、仲間のうちの誰か1人が警察に自首して、『言った。言わない』の世界になっていくという事が考えられますね」
相手が嫌いで陥れようとして、でっち上げとかで罪に問われる事もありますか?
「そうですね。『共謀罪』には『実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し又は免除する』という風になっているんです。
自首したら罪に問われないというのは良い事かなと思うんですけど、よく考えてみると、例えば今おっしゃったようにね、誰かをひっかけたくて、わざと『共謀』に誘い込んでおいて自分だけ自首したら、自首した人間は罪に問われないで引っかけられた人間が一網打尽。
あるいは、冗談で犯罪の合意をした経過等をテープ等に録っておいて、その中の誰か1人が警察に持ち込んじゃうと、持ち込んだ人は刑を免除されるけど、逮捕された人間は『冗談でした』では通らなくなる。
『この話をあの人にして良いんだろうか?』という風になってきますよね。さっきの話じゃないけど、もう『きつい冗談』を口にできないですよね。
さらにもう1つ問題は、『きつい冗談』を聞いた時に、目配せでも『共謀』は成立すると言われているわけですから、『きつい冗談』を聞いた時に、『これは冗談じゃない』という風に考えられるとしたら、その人は一番先に警察に自首しないと助かりませんからね。もう『きつい冗談』を聞いた人間は、すぐに警察に行かないといけない。こんな事にもなってくるんじゃないかと思いますね」
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