05/12/17、05/12/20〜05/12/24 放送 バックナンバー
昔の人の知恵、旧暦を知れば天候はちっとも不順じゃない!
ゲスト:社団法人大阪南太平洋協会・松村賢治さん
旧暦とは、1年に13ヶ月の年がある摩訶不思議な暦!?
松村さんが昨年末行なった今年の天候予測は当ったか?
米国でも1792年から太陰太陽暦が出されていた!
旧暦では、来年は7月が2回ある! どんな天候になるの?
自分で方丈庵を組み立てよう! スローライフのすすめ
 去年のちょうど今頃、旧暦についてお話しをした事を覚えていらっしゃるでしょうか? 中国4000年の歴史を下敷きにし、日本で明治5年まで1200年間使われてきた『旧暦』と呼ばれる太陰太陽暦は、実は、毎年の春夏秋冬がどうなるのか予測できる不思議な暦、カレンダーだと言われています。今年も、この旧暦について、建築家で社団法人大阪南太平洋協会の松村賢治さんにお話を伺います。
■旧暦とは、1年に13ヶ月の年がある摩訶不思議な暦!?
 旧暦というのは、すごいものみたいですね?

 「そうですね。最近、非常に見直されてきました。
 旧暦は、正確に言うと太陰太陽暦と言います。太陰というのは月の事ですね。月の運行と太陽の運行の両方を取り入れた暦という事で、農暦、農業の暦として、6世紀くらいに日本に中国から伝わってきたものなんですね」


 そんな昔は、農業が成り立たないと食べていけませんものね?

 「ちょうど聖徳太子の時代、604年から日本の官暦、公の暦になりましてね。それから60〜70年経ったら、白鳳天平時代という非常に文化が栄えた。やはり、それだけ農業生産高が上がっていったという結果が出たわけですね」


 でも、旧暦というと何か古いようなイメージですけど?

 「まあ、今でも、旧暦を良く言っている本というのは少ないんですよ」


 現在、我々が使っているのはグレゴリオ暦という太陽暦ですよね?

 「ええ。明治の頃に、早く欧州の文明を取り入れようと、脱亜入欧、富国強兵策というのをとりましたよね。その時に禁止令に近い形で廃止されて今の暦になったと。
 理由はあるんですよ。色々な国々の文化を取り入れる、条約を結ぶ、その時に、日本の古来の暦の日付と、欧州の暦の日付と両方書いていたんじゃ大変ですからね。
 しかし、禁止令に近い形で急激に廃止されたために、旧暦はほとんど忘れられてしまって、今も学校では教えてくれない暦になりましたよね」


 松村さんは、『続々と、旧暦と暮らす』という本も新しく出されましたが、具体的に太陽暦と旧暦はどう違うんですか?

 「まず1ヶ月の長さが太陰暦では29.5日しかありませんから、という事は、29日か30日。それで太陽暦は、御承知の通り30日か31日。ですから今の太陽暦では365日が1年ですけど、太陰暦では354日しかないわけですね。11日短いわけです。
 だけど短いままで2年経つと22日、3年経つと33日短くなりますね」


 1か月分になりますよ?

 「そういう事です。だから2〜3年に1回、閏月という、1年が13ヶ月になる年を設けるという非常に厄介な暦なんですね」


 その1ヶ月をどこに入れるんですか?

 「これはね、話すと長くなります。節気・中気という、今24節気と言っていますが、その中気が入らない月を閏月にするという法則があるんですが、これを話していたら時間がなくなりますから(笑い)」


 要するに法則があるという事で?

 「ええ。でたらめで決めているんじゃないんですよ」


 で、その閏月が色々な天候予測に役に立つ?

 「そうなんです」


 松村さんには、去年も御出演いただき、今年の国内の気候がどうなるのか占っていただきましたが、どういう風に予測されていましたっけ?

 「今年は旧暦で言う平年なんですね。閏でない年なんです。元来穏やかな、冬は冬らしく夏は夏らしい年になるはずだという予測だったですね」

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■松村さんが昨年末行なった今年の天候予測は当ったか?
 さあ、それが一体どうなったか実際の気象と検証していきたいと思います。

 「嫌な番組ですね(笑い)」


 そんな事おっしゃらないでください(笑い)。気象庁によると、今年の気象災害は、6月27日〜7月4日の大雨、7月8日〜12日の大雨、9月4日〜5日の関東地方の大雨、9月4日〜8日の台風14号くらいだったんですよ。という事は、当っていますよ、すごいですね?

 「(笑い)」


 旧暦を見ると、色々な事が解るんですね?

 「ええ。例えば、歴史上に出てくる日付というのは全部旧暦なわけですよね。1600年の関が原の戦いは9月15日。15日という事は満月の日なんですね。これは大きな意味があるんですよ。誰が味方になるか裏切るか解らない時に、新月の時に戦争をやったら大変な事になりますね。いつか逃げなきゃいかん時があるわけですから。
 その8年前の本能寺の変は6月2日だったんです。これは闇討ちなんです。1日の次は2日ですから闇夜ですよね。闇討ちにかけたわけです」


 日付に意味があるんですね?

 「だからね、歴史上の日付を見て、月の形が解ると、物語が非常に楽しくなってくる。
 8日といったら半月、上弦の月なんです。だから、屋島・壇ノ浦の戦いといった、いわゆる水軍で戦う時っていうのは、潮の小さい時にやっているんです。23〜24日とか8〜9日とかね、すごい事が解ります」


 赤穂浪士の討ち入りはどうですか?

 「これはね、元禄15年12月14日って言いますね。14日という事は、満月の前の日ですから、たまたま雪が降って雪明りがありましたが、実際は大勢で不案内な屋敷に討ち入るわけですから、月明かりを利用しようとしていたんですね」


 旧暦パワーですね。現代でも、例えば、スポーツトレーナーが旧暦を治療に生かしたり、自然出産に生かしている人がいたりするそうですね?

 「人間のバイオリズムに大きな影響を月が及ぼしているという、太陽だけではないという事ですね」


 商売で成功するために旧暦を利用するというのもあるそうですね?

 「いやあ、私もびっくりした事があるんです。普通、『夏も近づく八十八夜』が新茶のシーズンだって言いますね。だけど、京都でお茶の栽培をしている方が、『それは違う』っておっしゃるんですよ。旧暦の4月1日がどこに来るかによって、そのシーズンはそこが一番美味しい時なんだと。逆に八十八夜なんて考えがあるから、本当に美味しいものを飲んでいただけていないんだと書いておられる」


 八十八夜は新暦か旧暦かと言うと?

 「これは立春から数えて88日目という事は、旧暦じゃないんですよ。立春というのは太陽暦なんですね。2月4日ですからね。だから、春に八十八夜が来るのか、夏に八十八夜が来るのか、それを見なきゃいけないわけですね」


 旧暦の夏というのは?

 「4〜6月が夏です。
もう1つ、ブティックとか繊維関係の衣料品を扱っておられる方は、5月の連休が、旧暦の春に来るのか夏に来るのかで商売は全然違うって言うんです。だから、そういう事まで、今の方が旧暦を利用し出したって事ですね。決して古い昔の暦ってバカにできないんじゃないかって気がしますね」

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■米国でも1792年から太陰太陽暦が出されていた!
 今年、日本国内の気候は穏やかでしたが、米国は大変でしたよね?

 「そうですねえ。たて続けに2つハリケーンが来て、それだけでなくて越前クラゲの問題も、日本だけじゃないんだという事が盛んに言われていますよね」


 世界的に気候がおかしいと言われていますけど、この辺りは旧暦ではどうなんですか?

 「まあ、実際に温暖化ガスが多くなっていって、温暖化が起こってきているっていうのは事実ですよね。
 ですけど、旧暦の閏月がどこに入るかっていう統計で見てみると、20世紀は夏に非常に閏月が集中していると。冬は1回しかない。冬っていうのは、旧暦では10〜12月なんですけどね。だから、そういう事から見ても、4000年前の暦が、20世紀の温暖化を当てているなっていうのは言えなくもないわけですね」


 米国には旧暦はないですよね?

 「それがねえ、米国にもオールド・ファーマーズ・アルマニアックっていう、旧暦に近い、月の運行と太陽の運行の両方を入れた暦が、1792年から出されていたっていうんですね」


 ファーマーズっていう事は、やっぱり農暦なんですね?

 「はい。やはり、お茶の輸入なんかをしていた事から、中国の農暦という知識は、当然入っていたはずですし、そういった事からハンティングをやる人とか、農業をやる人達が使っていたと。
 そういう事から考えると、日本で使われていた農暦が世界にも色々な形で他にもあるんでしょうね。それらを探し当てて、これからの環境共生社会に生かしていけたら良いなと思いますね」


 日本には6世紀に農暦が入ってきて米国に先んじていたというのは、胸を張りたい気がしますね?

 「1300年も前からやっていたわけですからね(笑い)」


 どうだという感じですけど(笑い)、米国にもあったというのは、あるべくしてあったという事なんでしょうか?

 「やはり、動植物のバイオリズムに月が大きな影響を及ぼしているっていう事は、狼男の伝説なんかからしてもね、解っていたんですよね」


 海外では他に、台湾、中国、韓国でも旧暦は評価を得ているんですって?

 「日本では、まだ、旧暦復活なんて言われていませんけど、台湾や中国や韓国の人は、はるか前から、東アジアと言うか、極東地域の地域暦としてね、あるいは自分達の文化のアイデンティティとして、どんどん復活していこうとしておられる。
 日本だけが、ちょっと立ち遅れているんですよね。でも、今やっと若い人を中心に旧暦が見直され出したって事は良い事じゃないかと思いますね」


 越前クラゲの話が途中になっちゃって、あれはどう御覧になりますか?

 「これは、川から色々な窒素分が海に入ってきて、富栄養化して、魚がいなくなって、その分だけクラゲの食物が増えてきたとか、色々な事が考えられるって言われていますよね。いずれにしても、人間が余りにも大量生産・大量消費を繰り返す事によって、自然のバランスを崩しているのは事実だと思うんですよね。だから、黄海とか日本近海だけでなくて、世界中にそういう現象(クラゲの異常発生)が表れていると言われておりますからね」


 そう考えると、スローライフって必要なんですね?

 「私は、企業が排気ガスを出さないようにっていうよりも、個人個人が、そんなにお金を使わなくて、お金で買っている物を自分で手作りしてみようよと、そういう事も大事なんじゃないかなと思いますね」

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■旧暦では、来年は7月が2回ある! どんな天候になるの?
 来年、2006年はどんな気候の年になりますか?

 「来年の事を言うと鬼が笑うっていうのは、旧暦時代は11月1日に暦が出されていたんですね。実は11月1日はもう超えていますから、暦があります。だから、来年の事は言えますね(笑い)」


 旧暦で言うと、もう大丈夫、鬼も笑わないわけですね?

 「で、来年はね、閏7月があるんですよ。7〜9月が秋ですから、初秋が2回あるって事になりますね」


 秋が長いんですね?

 「という事は、冬の入りが遅れるわけです。秋が長い分だけ冬は2ヶ月しかないかって言ったら、そんな事はありませんからね。ですから、冬は、年内は暖冬気味になるであろうと。で、いわゆる残暑が結構響くかもしれない、初秋が2ヶ月あるって事は。
 そういう事が、昔の人は皆、暦を手に入れたとたんに解っていたんですね。暦が無いのに予測をすると鬼に笑われたわけですけどね(笑い)」


 年内は暖冬、で2007年が明けてから寒さが続くって感じですか?

 「そういう事ですね。だから春の訪れが、2007年は遅くなるという事が言えるわけですね。
 それで来年の場合は、春は今年よりもちょっと早くなる。11日ずつずれていくわけですから。そういった意味から言ったら、今年の桜の時期よりも来年の方が10日くらい早くなる可能性はあります。
 従って、ワカメの栽培をなさっている方なんかは、ちょっと早目に取り入れた方が良いかなって事も昔の人は解っていたわけですね。
 さあ、これが来年どうなるか、楽しみにしていてください(笑い)」


 夏の暑さはどうですかね?

 「おそらく今年よりも、どちらかと言うと早く夏が来る。だけど、秋にずれ込んでいくっていう事は予測されますね。今年のように穏やかでない可能性は充分あると思います。台風がたくさん来るかも知れません。今年のようにはいかないんじゃないかって、昔の人ならそういう風に予測しますね」


 それ以外に、来年何かありそうですか? 閏7月があるんですよね?

 「7月と言うと、7月7日の七夕様、これは秋の初旬の年中行事だったわけですが、ちょっとシャレた人だったら、7月が2回あるわけですから、七夕を2回しても良いですよね。新暦でやって、旧暦でやって、さらに閏でやって、3回やっても良いかも知れません(笑い)。
 そういう風に、楽しめば良いと思うんですよね」


 ちなみに来年の旧暦の1月1日は、いつになりますか?

 「新暦の1月29日になりますね。旧正月ですね。今年は2月9日だったわけですから、11日早くなっているわけですね」


 という事は、旧暦の1〜3月が春ですから、そこから春が始まるわけですね?

 「『新春お喜び申し上げます』という挨拶は、そこにあったわけですね。今の暦では、真冬ですから、ちょっと合わないですよね」


 元々、松村さんが旧暦に目を向けられたきっかけというのは?

 「もう30年くらい前になりますけども、ヨットで1年9ヶ月かけて、デンマークから日本まで帰ってきたんですけど、その時にずっと天測をして、今のようなGPSがありませんから、六文儀を使って、自分の船位を出して、航海したわけです。そうやると、大体7日半で時差が1時間分進めるんですね。ヨットみたいに、あんなゆっくりしたものでも、地球の大きさの中では、ヒューマンな速さじゃないかなと感じましてね。
 そういう経験をして、帰国してちょうどすぐ沖縄の仕事を3年ほどやらしてもらいまして。その時に、事あるごとに『今日は旧暦の何日だから』と地元の人が言うわけです。一体これは何だろうかなと思いまして、それで帰ってきてから、(運勢鑑定の)高島易断の暦を3冊ほどいただいてきて、そこから旧暦だけを引っ張り出してみたんです。そうしたら1ヶ月が29日しかなかったり、30日だったり、3年目には驚いた事に13ヶ月の年が出てきたわけですね。そこから自分なりに勉強していったという事なんですよ」

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■自分で方丈庵を組み立てよう! スローライフのすすめ
 松村さんは、2冊目の著書のタイトル『庵を結び、炭をおこす』にもありますが、スローライフを実践されているわけですよね?

 「私も阪神大震災の時に西宮で被災しまして、自宅が全壊しましてね。それをきっかけに、広島県山県郡加計町(現在の安芸太田町)と言う所に、人口4000人くらいの過疎の町なんですけど、そこへ小屋を建てまして。生まれは広島市内なんですけど、ちょっと田舎の方という事で。都会に住みながら、田舎にも小さな拠点があってという『2住生活』っていうのが私の夢だったもんですから。もう災い転じて福となすで、この際やってやろうと思いましてね、それでその田舎の里山に小さなロッジと言うか庵を建てたわけですね。
 で、庵というのは、昔から日本には文化として存在していまして、『離れ』とか『庵』と言うものですね。鴨長明が800年前に、方丈庵というのを建てたわけですから」


 方丈記を書いた鴨長明ですね?

 「そうです、そうです。
 方丈というのは、1丈四方という意味ですから。1丈は10尺、すなわち3mなんですね。
 3m角、9平方メートルなわけですね。
 で、日本の今の法律では、10平方メートルまでは建物の部類に入りませんから、小屋なわけですよね。農機具小屋と一緒なわけです。だから、農地に建てても構わないし、自分で作っても良いわけですね」


 自分で作れるんですか?

 「作れます。鴨長明も牛車2台に積んで、どこにでも持っていける組立てハウスにしていたわけですから」


 鴨長明ってすごいですね?

 「すごいですね」


 広さ的にはどうですか?

 「ヨットのキャビンって非常にコンパクトに良く出来ていますから、それで考えたら結構使えますね。3.3m×3.3mで9.9平方メートルになりますからね。まあ、6畳の部屋くらいにはなりますよね。
 だけど、長明の時代はトイレは外ですし、おくどさん(かまどの事)も外にあれば良かったわけですが、我々の生活では、そうはいきません」


 やっぱり中に欲しいですよね?

 「パソコンも使いたいですし、トイレも携帯トイレくらいは使えるだろうと。ヨット用の携帯トイレの素晴らしいのがあるんですよ。
 それから、流しも水道を引いてやっていたら大変ですが、ヨット用の足踏みポンプというのがありましてね。これはタンクに入った水を、ちゃんとつる口から流しに出して使えるわけですね。それで、飲んだり料理に使うわけですから、20リットル汲んできた水が、排水で20以上になる事はないわけですね。だから床下に別のタンクを置いておいて、それに溜めて、林にポンと捨てても良いだろうし、畑に撒いても良いですよね」


 無駄にならないし、環境も汚さない?

 「ええ。で、このロッジの特徴は、囲炉裏がある事なんです。周りに10人くらいが座れる。小さなロッジですが、囲炉裏ハウスなんですよね。囲炉裏があって、焚き火もできる、炭も使える、そういうものが田舎にあると非常に面白い生活ができる。都会では出来ませんからね」


 ある意味、豊かさですね?

 「ええ。これから、地元の材料を使って、例えば山梨県や群馬県は地元の県産材の杉を使って、キットにしようという事を考えておられますね」


 それが自分で作れる小屋というわけですか? 名前は?

 「『方丈庵21』と言うんですよ。21世紀の方丈庵という意味でね。キット自体は185万円くらいで、あとホームセンターで色々揃えるものが40万円くらいあるから、230万円あればもう自分で作れると」


 売れていますか?

 「まだまだ、始まったばかりですから。今までに7つくらい出ました。
これがスローライフだと思うんです。お金で買えば済むものをね、自分で手作りをしてみようというね」

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