05/02/12、05/02/15、05/02/19 放送 バックナンバー
甘き戦い! 今時のバレンタイン商戦事情
ゲスト:阪急百貨店和・洋菓子商品部長・松本一彦さん
バレンタイン異聞! 女性は自分の為にチョコを買う!
真夏にチョコレートを食べる! 商戦スタート
最新スウィーツ事情『時代はニューヨークや!』
スウィーツ担当のニューヨーク珍道中
チョコを通じてヨーロッパの文化を伝えたい
 日本の年間チョコレート売り上げ約4000億円、そのうちの2割をこの時期に売るといわれる"バレンタインデー"。なかでも期間中の売り上げが6億円と日本一を誇る阪急百貨店大阪梅田本店の松本一彦さんに、2005年バレンタインデーのトレンドやビジネス戦略等を伺います。
■バレンタイン異聞! 女性は自分の為にチョコを買う!
 バレンタイン商戦のピークはいつ頃ですか?


 「バレンタインデーというのは2月14日に(プレゼントを)渡しますので、以前は13日にすごいピークがやってきたんですが、ここ数年間の傾向としましては、どんどん前倒しになってきています。10、11、12、13、この4日間に満遍なくお客さんが来られるという傾向になってきています」




 何故前倒しになるのでしょう?


 「以前ですと、バレンタイン=誰それに商品をあげるという事だったんですが、最近は、ある意味自分への御褒美という事で、自分にあげちゃうんですね、女の子が。1年間よく頑張ったという事で、自分にあげる女性が非常に増えてきています。
 それだけ美味しいチョコレートが、インポートであるとか国内からも出てきていまして、この1週間に集結するというような事が最近ずっとありますんで、そういうところでバレンタインと言うよりも『チョコレートの祭典』みたいな形になっていましてね。
 僕らも『チョコレート博覧会』という形でイベントを行ったりするんですが、かなりお客さんの買われ方も変わってきています。
 ただ、美味しくなっているんですが、日持ちが非常に短くなってきているんですよ。
 いわゆる『生チョコ』が1つのブームになっていますんで。
 そこから言うと、どれだけ商品を持てるかっていうのが勝負になってきています。
 良い商品はあればあるだけ売れる。でも言うても、13日にピークは来るんです。14日を過ぎたら全く売れなくなっちゃうので、(販売店の)皆さんは不安になられるんですね。『今年は大丈夫かな。余ったらどうしよう』とかね。
 それを、僕ら百貨店の人間は『もう絶対必ずピークは来ますんで、商品はちゃんと確保してください。これだけは売れますよ』と言うのがひとつの仕事でして」
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■真夏にチョコレートを食べる! 商戦スタート
 どうやって流行を掴むのですか?


 「お客さんとしては、去年無なかったこんな物とか、外国で食べたこんな美味しかった物とか、雑誌で載っていたあの店この店みたいな、そういうのが1つの切り口になります。
 色々な所で情報を掴んで、早くから交渉へ行かないと、ある程度作られる方も準備が必要なんでね。今日言うて、明日作ってくれというわけにはいきませんから。
 結構前倒しで、そういう企画はしていきますよね。
 毎年2月14日バレンタインデーが終った時点から反省会をするんです。
 『何が売れた?』とか、売り場のデザインとかも大事なので、ここの売り場はこんなケースを作っていたというのを一応写真に撮っていますのでね、そんな反省会から始まって、『このチョコレートは美味しかったね、まずかったね』というのをとりあえずやります。
 各メーカーさんも、バレンタインが終った時点で、次の企画を考えはるんですよ。
 いつも大体、非常に暑い7月や8月、『こんな時に、チョコレートってでやねん!』と言う時に、持って来られるんです、翌年のバレンタインの企画をね。『こんなん考えました。一遍、見てくれませんか』と。で、食べるんです、チョコレートを、暑い時に、クーラーがんがんに効かしてね。
 大手のチョコレート屋さんは、それだけの市場がやっぱりありますんで、事業部もしっかりしてますんでね、年がら年中バレンタインをしてはるんですよ」




 甘い物は得意なんですか?
 「その時になると得意になるんです、何故か。
 カメレオンみたいな人間なんで、クリスマスの時になったらケーキが食べたくなるし、バレンタインのときはチョコレートが食べられるようになるという、非常に臨機応変な人間なんで(笑い)」
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■最新スウィーツ事情『時代はニューヨークや!』
 最近、流行のチョコレートは?


 「ずーっと『ゴディバ』というのがインポートの王様みたいな感じで言われていて、それを貰った方も安心しちゃう。ずっとバレンタインを支えてきてくれはったんですけど、ここへきてその『ゴディバ』を超えると言うか、超えると言うと『ゴディバ』さんに怒られるんですけれども、『ゴディバ』に匹敵するインポート・ブランドっていうのがぼつぼつ出てきているんですよ。
 それは、いわゆるショコラティエという職人さんが作るチョコレートなんですよね。
 ケーキを作るパティシエのブームがありましたけど、どうもお菓子の中でステータスの順番で言うと『ケーキの上はチョコレートやろ』というのが、皆さんの頭の中にあるようでございまして。
 (チョコレートは)小っちゃくて高いですからね。なんかそういうイメージ、『キング・オブ・お菓子』ではないんですけれど、そんなところがありまして。
 そういう物を作っている有名な外国のショコラティエさんが、続々と日本でお店を出し始めているんですよ
 『ジャン・ポール・エバンス』さんであるとか、『ピエール・マルコリーニ』さんですとか。
 非常にクォリティーの高いチョコレートです。
 何故そういうクォリティーの高いチョコレートが入ってきだしたかというと、1つは、空輸とかで来るんですけど、物流が非常に発達してきたんですね。昔は送っている間に溶けていたとかあったんですけれど、それが非常に発達したんで、向こうで作ったクォリティーがそのまま日本で再現出来るみたいな事がありまして。
 日持ちの短いチョコレートではあるんですけれども、日本で売ることが可能になったという事から、そういうのに火が点き始めたんですね。
 また、今までチョコレートというのは、ベルギーであったり、フランスであったり、スイスであったりと、いわゆるヨーロッパが主流だったんですけど、どうも最近ニューヨークでも美味しいチョコレートが食べられるというか、美味しいチョコレートの店があるというのが皆さんの評判になってきまして。
 ニューヨークのマンハッタンの郊外の、セレブなマダムが行きつけのチョコレートショップでありますとかね。
 その中で、我々は『ジャック・トーレス』という、これはブルックリンにあるお店なんですけれど、そこのチョコレートに興味を覚えましてね。それを今回初めてうちで輸入させていただいたんですよ。
 非常に繊細で、中のクリームにフルーツを使ったりしていますので、なかなか今までにない味という形でお勧めさせていただいているんです。
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■スウィーツ担当のニューヨーク珍道中
 海外に買い付けに行ったりされるのですか?


 「去年3月頃から都合2回、私はニューヨークに行かせていただいて。初めて会社のお金で行かせていただきました(笑い)。
 最近トレンドになってきて、『時代はニューヨークや』という事で、いち早くどこの百貨店よりも情報を発信したいという事で、行ってきまして。
 世界の大都会、ニューヨークですので、『日本の阪急百貨店が』と言っても『それ何?』という感じですね。
 そこでまず、『日本のバレンタインはこうこうで』『非常に儲かって盛り上がるんで、なんとかおたくのチョコレートを売らしてくれへんか』というところから始まりまして。それを延々とずーっと喋るわけですね」
 英語で交渉するのですか?
 「いや、私は全然喋れません。通訳さんがいらっしゃるんですけど、そこはもう僕の熱意で、それで解っていただくみたいな、そんな感じですよね。
 向こうには、バレンタインの時にそれだけ集中して売れるという事が無いんですね。
 普段は、我々よりも(チョコレートを)たくさん食べるんですけど、その3週間の間に年間の2割も売っちゃうというのはなかなか信じてもらえないんですが、とにかく信用してくれという事で。
 ニューヨークで流行っているお店とはいうものの、やっぱり『ゴディバ』さんみたいな大企業ではないので、事前にちゃんと準備しておかなければならないという事なんで、ある程度の金額を申し上げて、なんとかチョコレートを売ってくださいと。
 それを詰めたり箱を作ったりするのはうちでやるので、とりあえずチョコレートを分けてくれと。そういう交渉をさせていただきました。
 実は向こうにも日本人の方がいらっしゃったんですよ。日本でお菓子を経験された方が、『ジャック・トーレス』で一緒に事業をされていたので。
 おかげで、僕の日本語が全く通じないわけじゃなくって、日本のバレンタイン事情というのも若干は解ってくれてはったみたいです。
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■チョコを通じてヨーロッパの文化を伝えたい
 チョコレートを含むスウィーツ市場はどう変わっていくのでしょう?


 「百貨店で、チョコレートは、以前はバレンタインの時しか売れなかったんですね。
 ところが、昨今、バレンタインの売り上げも上がっていますし、普段でもチョコレートを買っていただけると。良いチョコレートというか、高いチョコレートをですね。
 我々が去年、一昨年に、売り場を改装した時、『そんなトレンドがあるなー』という事で、敢えて大きくチョコレートのゾーンを3社くらいブランドで作ったんですが、その数字が毎年上がっていっている。
 バレンタインの時だけじゃなくて、普段でも自分で食べたり、お遣い物に使ったりという事で、チョコレートが今まで以上にお客さんの支持をいただいているというのがあります。パティシエ・ブームで『ケーキ、ケーキ』という風にきているんですけれど、そこにチョコレートもかぶさってきているという事は肌で実感しています。
 その中で、我々は、ええ格好言わせてもらえるならば、ヨーロッパの文化みたいなものをお客さんに伝えるというような提案の仕方を今後はしていきたいなと。
 解りやすく言うと、バレンタインになると、そこら中にハートのマークが出てくるんですけれど、そうではなくて、本当にシックに美味しいチョコレートをその何週間かにお客さんに知っていただけるような、いわゆる『チョコレートの祭典』と僕は言い続けているんですが、そんな風にしていくと、もっともっとマーケットは広がっていくと思いますね」




その為に、今後どんな事を考えていますか?


 「去年はニューヨークに行かせていただいたんですが、その目をどんどん広げていきたいなと。
 もちろん『ジャック・トーレス』はどんどん広げていきたいんですけど、それだけではお客さんが納得してくれないので。
 隠れたチョコレート・ショップっていっぱいあるんですよ、ニューヨークではなく、ヨーロッパの話になっていくんですけどね。
 毎年の『サロン・ド・ショコラ』(フランスで開催される世界最大のチョコレートの祭典)には色々なチョコレート屋さんが来られるんですけれど、そういう方をできるだけ呼んできたいという事があります。
 同じような事がケーキでもありましてね。
 『クープ・ド・モンド』という、世界洋菓子選手権みたいな感じのものがありましてね。そこで優勝すると一流パティシエになれるような、パティシエの登竜門みたいなものがあるんです。
 で、今回我々は、3月末に、『ワールド・フーズ・マーケット』という、仮称なんですけども、催しを企画しているんですが、その時に『クープ・ド・モンド』で優勝したシェフに来ていただいて、その場でケーキを作っていただいて食べていただくようなことも考えているんですよ。
 お客さんの口もだいぶ肥えてきていますし、日本のお菓子の技術も上がってきていますので、きっとその味は、日本の方にも解っていただけると思うんです。
 我々以上にたくさん外国に行っておられますんでね、そういう味に慣れているというのもありますから。まあ、『こんな珍しいの!』というノリもあり、半分は『行って食べた事あるわ』というお客さんもありでね。
 僕らが神戸に行くような感覚で、ピューっとヨーロッパに行きはりますからね。ぜひ僕も会社にお願いしまして、次はヨーロッパへ飛び出したいなと思っているんです(笑い)。
 我々の和菓子の文化と同じように深いものが、チョコレートにはありますんでね」
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