| 聞き手 |
小米朝さんはなぜあんなにクラッシク音楽がお好きなんですか? |
| 小米朝 |
なんででしょうかね〜、やっぱりモーツァルトの生まれ変わりだからですかね〜... |
| 米朝 |
(笑) |
| 聞き手 |
なんか言うてはりますけど、誰か助けてください!!!(笑) |
| 小米朝 |
前世がね。ま〜あの〜、多分、根本的にどっか好きだったことは好きだったと思うんですが、きっかけを導いてくださったのは中学校の音楽の先生やったんですよ。善入(ぜんにゅう)先生という当時おじいちゃんでしたけどね。尼崎市立武庫中学校という、きわめて普通の公立中学校の音楽の先生がレコード鑑賞好きでLP盤、今の若い子知らんな、針乗せるやつをいつも綺麗に拭いてレコード鑑賞しはるんですよ。それで夏休みなったら宿題が出るんですよ。「はい皆さん家に帰ってクラシックを5曲聴きましょう」で感想文を書きなさいという音楽の宿題が出るんです。 |
| 聞き手 |
へぇ〜 |
| 小米朝 |
で、夏休み家でうちの親父に「あの〜クラシックのレコードないかな〜」って聞いたら、「あ〜、あのな、そこにある。『勧進帳』と『越後獅子』と『新曲浦島』ええで」 |
| 聞き手 |
長唄じゃないですか、それ。 |
| 米朝 |
(笑) |
| 小米朝 |
「これもクラシックやないかい」って、そりゃまぁそうなんですけど、「オーケストラの方やねん」「そんなん、うちにあるか」というんで、一人で大阪まで出て来て、レコード屋へ行って、1枚はチャイコフスキーの白鳥の湖とくるみ割り人形の抜粋、もう1枚はモーツァルトのフィガロの結婚の序曲、魔笛の序曲、シンフォニーの40番、41番。その2枚を買って家で聴いたんがきっかけです。で適当に感想文書いて、一番最後には『勧進帳』と『新曲浦島』の感想文書いて... |
| 聞き手 |
(笑) |
| 小米朝 |
ただその時にチャイコフスキーの方が入りやすかったですね。モーツァルトははっきり言って難しかったです。中2になったら今度は『メンコン』になるんですよ、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト。略して『メンコン』。これをまた鑑賞会で聴いてて、で、家帰ってNHKの7時のニュースの前に「NHK神戸放送局からのお知らせです。N響神戸公演。ヴァイオリンコンチェルト、メンデルスゾーン」 |
| 聞き手 |
おっっっっっっっっ。 |
| 小米朝 |
「これや、これや。学校で聴いたやつや」聴きにいこうと思ってチケット買って神戸文化ホールで聴いたのが生の最初。
ヴァイオリンの独奏が当初は潮田益子さんって貼ってあったけど、当日行ったら、急病につき代演、佐藤陽子さん。池田満寿夫さんの奥さん、あの人の音を最初に聴きました。 |
| 聞き手 |
へぇ〜...。お家でよくクラシックを聴いてはったのはご存知ですか? |
| 米朝 |
いや、私の前ではあんまり聴かなんだね。 |
| 小米朝 |
邪魔になると思いましたから。 |
| 聞き手 |
あ、なるほど。 |
| 小米朝 |
ですからほとんど聴いてる姿は見せてないと思いますよ。ピアノをそっと隠れ遊び的に弾いてたんですけど、それもほとんど聴いてないかもしれませんね。 |
| 聞き手 |
それはお家にピアノがあったんですね。 |
| 小米朝 |
はい、アップライトのピアノが・・・。僕が...、そうそうだいたい神童だと錯覚されてまして、僕が小さい時に親父が小ちゃいおもちゃのピアノを買って来て、親父が指一つでポンポンと弾いたら僕が同じようにポンポン弾いたんですって... |
| 聞き手 |
そりゃ天才や!!こりゃ神童や!! |
| 米朝 |
そんなことあったんか? |
| 小米朝 |
あったんです。それでアップライトのほんまもんのピアノを買うて幼稚園の頃にピアノ教室へ... |
| 米朝 |
あれは家内のいとこがピアノ教室始めよったんです。とりあえず誰か生徒欲しかった。で、行かされよった。 |
| 小米朝 |
いや、こっちへ来てくれはったと思います。で、行くのも遠いから近所に小城先生という...。小城先生のおじいちゃんが習字の先生で、そこの娘さんが内田さんといって、その内田さんに僕はピアノを教えてもらった。すぐ近所です。で幼稚園の時にうちの親は「この子は神童ですから」言うてほんまに「ああ、しんど」...何を言うてるんやろ、とにかく全然... |
| 米朝 |
指はとどいたかい? |
| 小米朝 |
指とどく、とどかへんの問題やなしに、稽古せえへんから、隣の福島君は3回で上がってるのに、「中川君、もう一回いこうね、もう一回いこうね」とカギカッコつけられるんですよ。で6回ぐらいカギカッコつくんです。全然進めへんのです。その頃から稽古嫌いでした。 |
| 聞き手 |
それはいまだに続いているんですか? |
| 小米朝 |
(笑)コマーシャルどうぞ... |
| 聞き手 |
いえ、行かせません(笑) |
| 小米朝 |
そんなことがきっかけで、音楽を親しむようになりました。でも先天的に好きやったんでしょうね。例えば好きな女の子が音楽の時間にピアノを弾くんです。そのピアノの伴奏で歌を歌ったり笛吹いたりするんですよ。「好きだよ」なんて言われへんから、共通の趣味を持とうと思って、その子が弾いてる曲を一所懸命覚えたりとかね。 |
| 聞き手 |
そういう時にはお稽古するんですね。 |
| 小米朝 |
(笑) |
| 米朝 |
(笑) |
| 小米朝 |
まぁ〜、あの〜、女性次第ですね。 |
| 聞き手 |
よく分かる動機でございますね。 |
| 小米朝 |
だからモーツァルトの生まれ変わりなんです。 |